「桜が綺麗、ですね」




夜桜が綺麗だと君が笑った

いつもただ通り過ぎるだけの河原沿いの街道

花など見もしなかった

それが散りゆくだけの桜なら尚更








けれど君は、






「花は散ってしまうけれど、種をまいてくれます。そしてまた綺麗に来年、咲いてくれます」



「来年も一緒に見れると・・・ううん、絶対見ましょうね!」









散る桜も美しいのだと、笑った





そんな君こそが美しいのだと






俺は言えずに、